【推理小説感想】「黒猫の三角」 | 森博嗣 |

森博嗣の推理小説、Vシリーズの第一作目を読んだ感想。ゾロ目の日にゾロ目年の人が被害に会う謎めいた事件。四度目の犯行は探偵たちが監視するなか密室で発生する!※ネタバレ無し

作品情報

  • 製品名:黒猫の三角
  • 著者名:森 博嗣
  • ジャンル:ミステリー、推理小説
  • 発売日:2002年07月16日
  • 価格:本体730円(税別)
  • ISBN:978-4-06-273480-6
  • 判型:A6
  • ページ数:472ページ
  • 電子版製品名:黒猫の三角 Delta in the Darkness
  • シリーズ:講談社文庫
  • 初出:1999年5月に講談社ノベルスとして刊行。

内容紹介

1年に一度決まったルールの元で起こる殺人。今年のターゲットなのか、6月6日、44歳になる小田原静江に脅迫めいた手紙が届いた。探偵・保呂草は依頼を受け「阿漕荘」に住む面々と桜鳴六画邸を監視するが、衆人環視の密室で静江は殺されてしまう。 森博嗣の新境地を拓くVシリーズ第1作、待望の文庫化。

引用元:『黒猫の三角』(森 博嗣):講談社文庫|講談社BOOK倶楽部

関連リンク

漫画化やテレビドラマ化もされているので、そのうち観てみたいかも~。

キャラクター

Vシリーズ1作目ということでまだよく分かりませんが、メインキャストである4人による統一感がないのに妙に息が合っているような掛け合いが楽しかった!

  • 瀬在丸紅子(せざいまる べにこ):子持ちバツイチのお嬢様(?)科学者(メイン探偵役)。
  • 保呂草潤平(ほろくさ じゅんぺい):探偵、便利屋。ボロアパート阿漕荘の住人。
  • 小鳥遊練無(たかなし ねりな):女装趣味のある男子大生。阿漕荘の住人。
  • 香具山紫子(かぐやま むらさき):関西弁のボーイッシュな女子大生。阿漕荘の住人。

あと、紅子の執事のおじさん「根来機知瑛(ねごろ きちえい)」が、紅子の行動にムキーってなっているところを想像すると愉快でした。紅子の息子の「へっ君」も続編で動くことがあるのかな?

密室トリックについて

解決パートで紅子が指摘するアリバイの矛盾については「なるほど~、気付かなかった!」でしたが、密室トリックの〆の部分については穴がある感じで少し”弱い”ような気もしました(自分が見落としているだけかもしれないけど)。

ただ、この作品の真のトリックは別のところにあるような気がするので、これは特に気にならなかったかな~。




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感想:★★★★☆

各章ごとに推理を促す展開やスリリングな描写もあったりして中だるみせずに読み進めることができ、最後の解決パートにおいても紅子と犯人の対決で事件の真相が明らかなっていく推理小説定番の気持ちよさがしっかりとあって面白かったです。

率直な読後感は「気持ちよく騙されちゃったな~」でした。同著者の前作S&Mシリーズ10作を読んだ後なので、犯人(フーダニット)と密室トリック(ハウダニット)については結構考えながら呼んだつもりではいたのですが、あるミスリードに乗せられて推理を構築していたので、著者の思惑通り(?)すっかり騙されてしまいました。

小手先ではなく、作品全体として読者をミスリードへと導くそれは、S&Mシリーズ7作目の「今はもうない」の"してやられた"感にも似ていました。

作中の最後では次作のお話にも少し触れられるので俄然続きを読みたいところです!

2作目の記事:「人形式モナリザ」




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